薬剤師の生活と収入 その2

薬学部の学生

薬学部の学生は他の学部に比べても忙しいかと思います。
薬学部の授業と薬剤師の国家試験の対策の両方同時にすすめないといけないからです。
せっかく頑張って取得した薬剤師の資格ですから、これを活かしながら
充実した人生を送りたいですよね。

薬剤師の仕事というのは、経済的に困窮するということはないといってもいいと思います。
それは、国家試験に合格した限られた人のみしか薬剤師になれない一方、
高齢化社会という現代において薬剤師の仕事は非常に重要であり
医療業界全体としても人手不足であるという面があるのです。

ですから、薬剤師の方は、これからの自分の仕事の内容、勤務形態、収入など待遇面でも
貪欲に求めていってもいいかもしれません。
不当に過重労働を強いられたり、人間関係でつまづいてしまったとき、
家庭との両立が困難であったり、何よりも自分の仕事内容に満足できない、
病院の方針に納得できないなど、職場環境に不満があるときというのは、
思い切って職場環境を変えることで生活が劇的に変えることができるんですよ。

薬剤師専用の転職サイトには常にたくさんの求人が掲載されています。
このサイトのいい点はいくつかあるのですが、まず無料で利用できることです。
登録については、まず、自分のキャリアについて職務経歴書などにまとめることが必要です。
ただし、この職務経歴書は最終的にキャリアカウンセラーの方が手直ししてくれますので、
とりあえず記入してとりあえず登録することが先決です。

職務経歴書の記入

職務経歴書の記入には時間がかかるかもしれませんが、
自分のできること、スキルや知識、技能、経験のたな卸しをするという意味で非常に有効です。
ここで自分のスキルのたな卸しができると、次へのステップに何をすべきかということも
自然に見えてきます。この職務経歴書を書くことで自分のキャリアが整理できるので、
この作業をするということだけでも十分に意味があることだと思いますよ。

ちなみに、転職サイトには、職種別の職務経歴書の書き方例や、
注意するべき点などもあります。フォーマットもありますので、これを利用すると、
筋道立てて自分のキャリアを整理して表現することができるので、とても便利です。

職務経歴書が書けたら、あとは数分でできる作業になります。
自分の名前や住所、連絡先、学歴などを記入し、あとは面談の予約について
日程調整をすることになります。そして、この転職サイトには、
転職活動を通して成功した人の声や失敗してしまった人の声があります。

これは生の声ですので、非常に参考になります。
こんな点に注意して転職活動をしたらいいよ、とか、こんな点を面接のときに
面接官に聞いて確認すべきだよ、とか具体的なこともありますので、
転職について考え始めたという人はぜひともこの生の声のチェックだけでもしてみるのが
いいかなと思います。
自分の働き方と比較してみて、もし自分の職場を今より改善したいと思ったのなら、
新しい環境を求めて飛び立つのも一つの選択肢であるかと思いますよ。

薬剤師の生活と収入

薬剤師の勤務状況

実際に薬剤師についた方の生活を収入についてお話したいと思います。

まず、薬剤師の勤務状況は職場によって異なります。
薬局の場合は、だいたい9時〜18時や9時〜19時といった勤務時間帯が多いです。
これは病院の診療時間にあった形ですね。
病院の診察が終わった方が医師に処方された薬をとりにくるというパターンになります。

最近では、もう少し遅くまで営業しているところも多いようですが、
これは世間の情勢を反映させているということでしょう。
保険薬局なんかは保険点数計算などで忙しいときもあるようです。
病院で働く薬剤師の場合は、8時30分〜17時など、若干朝が早いケースが多いようです。
これは、薬局が開業医の時間帯にあわせていたり、お客さんの生活スタイルを反映させているのに
対して、病院の外来時間にあわせているという部分が大きいかと思います。

また、製薬会社や化学メーカー、化粧品メーカー、食品会社といった一般企業に
勤める方については、その職務内容においても就業形態が異なります。
研究職についた方というのは、時には深夜勤務もしなければならないことがありますが、
大抵は9時あたりから17時、18時の勤務になります。
一般企業に働くことのメリットとしては、フレックス勤務時間制を導入している会社が
多くなってきたことがあります。
これは、就業時間の開始時間と終了時間を自分で決めてられるというものです。
毎日開始時間と終了時間がちがったとしても月ごとの総労働時間で帳尻があえば
いいという考え方の労働形態になります。

例えば、普段は9時に出社して17時まで働いているけれども、習い事のある日は
1時間早く出社して1時間早く退出したり、朝銀行にいく用事があって遅く出勤しても
一時間遅くまで就業していれば全く問題ありません。
子どもの保育園の送りのために毎日1時間に出社して、終了時間を毎日1時遅くすることもできます。
このような就業スタイルは近年、働く人がいかに働きやすいかということを考えて
少しずつ社会に浸透していった制度です。
自分のプライベートの時間を充実させたり、家族との時間を大切にするためにも
活用できるいい勤務形態だと思いますので、一般企業に入る際にはその勤務形態が
あるかどうか確認するのもいいかと思います。

収入面

収入面においても、それぞれの職場に応じて違うのは当然なのですが、初任給でいうと、
資格手当てとして3〜5万円つくこともありますので、他の職種の方よりも
比較的たくさんのお給料を受け取ることができます。
保険薬局で23〜25万円ですし、薬剤師が不足している地域でももう少し高めに
設定されていることも多いです。
時間給で働くパートタイマーの方の時給は1600円〜2000円と非常に高く、
女性にとっては魅力的な職種といえるでしょう。

出産や子育てをきっかけに一度職場を離れる女性というのは女性の社会進出が
いくら進んだといっても、やはり多いのが現実です。
また、配偶者の転勤や家族の介護の担い手になるといった理由でも働くことを
やめなければいけない場合もあります。
ですから、女性にとっては特に魅力的な職種なのかもしれませんね。

薬剤師の職務の広さとやりがい

薬剤師は薬の専門家です

医薬品の適正使用を推進する専門職として、医療業界にはなくてはならない存在です。
医療の担い手の一員として、主に薬物療法を通して患者さんの疾病の治癒に
広く国民・地域の方の健康の保持増進に寄与しているといえます。
その責務や重責は言うまでもありませんが、同時にとてもやりがいのある
仕事だとも言うことができるのです。

最近では、この薬剤師をとりまく状況はめまぐるしく変化しています。
臨床医学研究成果が蓄積され、また活用されることによって、同時に医療技術の
高度化も専門というものあります。
医療制度の改革も年々変化を遂げておりますし、急速に進展している専門医療もあります。
例えば、特定昨日病院における移植医療、遺伝子治療、新規がん治療法開発といった
高度先進医療といったものはほんの一例にすぎませんよね。

また、このような専門機関の発達もさることながら、開業医と保険薬局薬剤師、
看護師、保健師などの連携によって行われる総合的な地域医療分野も一昔前では
比べ物にならないほどのものになってきています。
こういった医療専門集団による統合型のチーム医療については、年々広がりを
見せており、今後ますますその必要性が問われてくることとなるかと思います。

薬剤師というのは、医療現場のみならず、社会全体を通してジェネラリストとしての
職能のレベルアップを求められるようになってきたとともに、がん治療、
感染制御、糖尿病の治療などをはじめとした多くの特定疾患の領域においても
専門知識を発揮できる知識や技術、経験をもった薬剤師が求められているということになります。

薬剤師の仕事

薬剤師の仕事としてのやりがいとして、その社会貢献の高さをあげる方も多くいますが、
その理由はこのような薬剤師の存在意義のところにたちかえってみると、
なるほどといったところでしょうか。

仕事というのは、やりがいがなければ長く続けることは難しいのです。
誰もが、仕事をしていると必ずモチベーションの壁にぶちあたることと思います。
新人時代に一生懸命やっていたことが日常的になることによって、何となくの業務になり、
いつの間にか機械的、作業的になってしまっている人というのは意外に多いというのが、
残念なのですがそれが現実なのです。

でも、社会を通じて貢献しているというやりがいを感じながら仕事をしている人は違います。
それは、仕事に対するやりがい、思いがあるからです。
やりがいというのは不思議なもので、人にパワーを与えてくれます。
たとえ、それが困難なことであっても、自分にとって不利なことであっても、
このやりがいがある限り、頑張ることができるのです。

人間は、仕事としての対価である賃金のためだけに働いているのではないのです。
人から認められたり、評価してもらったり、お礼を言われたり、自分の存在意義を
感じることではじめて生きていることを感じ、人生を充足させることができるものなのです。
社会に貢献するという使命を感じながら仕事ができる薬剤師の仕事というのは、
とてもすばらしいですね。

薬剤師のステップアップ その2

薬剤師としての技量

自分の薬剤師としての技量をはかるための一つの方法として、認定制度への
チャレンジについて説明しましたが、他にも方法があります。
それは転職サイトを利用して自分の市場価値を図るというものです。
実は、これはとてもてっとり早い方法でとてもおすすめです。

というのは、普段の仕事が忙しい中で自己分析や将来のなりたい自分に対して模索したり、
必要な資格を調べたりというのは、正直なかなかできないかと思います。
こんなときはプロに相談するのが一番早いのです。
薬のことは薬剤師に相談するのと一緒で、キャリアプランに関して相談するのは
キャリアカウンセラーの方にするのがいいかと思います。

転職サイトでは、たくさんの情報を得ることができます。
現在の求人情報を見るだけでもかなりの情報が得られます。
給与についても、自分の現在もらっている年収と比較して、自分の市場価値をはかることができます。
採用条件としてあげられている経験年数や資格などについても、
今後自分がとるべき道のヒントになるかと思います。

そして、転職サイトには最近薬剤師専門のサイトも登場しはじめました。
いかに薬剤師、そして医療業界が人材を求めているかということが分かるかと思います。
医療業界は慢性的な人手不足であり、少しでも優秀な人材、薬剤師を確保したいというところは
多々あります。薬剤師専門の転職サイトには求人以外にもたくさんの情報があるので、
一度のぞいてみるのがおすすめです。

最近の医療ニュース

例えば、最近の医療ニュース、医療事情、医療の現場の声、転職をした人の声、
自己分析のツール、今後の薬剤師、医療業界のあり方といった専門家のコラムなど
情報は多岐にわたります。
転職をしないという人にとっても、とても有益な情報ですので、下手な医療情報サイトよりも
とても効率よく情報をキャッチすることができるのです。

また、この転職サイトに登録すると、専門のキャリアカウンセラーの方が薬剤師の転職情報について
情報をくれるとともに、今後の進路について相談にのってくれます。
その中で、自分の市場価値を確認し、今後必要な資格やスキルの提案をしてもらうことも可能です。
現在の職場よりもいい環境があれば、新しいところに転職するというのも道の一つとしてあるでしょう。

転職を考えたときに自分ひとりで活動するのは、はっきり言って非効率的です。
きっと満足のいく結果は得られないでしょう。
ですが、転職サイトを活用した転職活動というのは、非常に的確なポイントを
おさえたものになりますので、転職活動期間も短く、自分の理想以上の職場を
見つけることもできます。

知らなかったことをキャリアカウンセラーの方に教えられることもあるでしょう。
自己分析は自分自身でできても、職業理解の部分はなかなか情報を得にくいものです。
インターネット上には、たくさんの情報がありすぎますから、できたらキャリアカウンセラーの方と
面談して、今後の道を模索するというのがおすすめです。
登録や面談は全て無料ですから、自分のキャリアを見直したい方は
ぜひ一度登録してみてほしいと思います。

薬剤師のステップアップ

薬棚

薬剤師のステップアップ

最初は現状の仕事について経験を積むのが最優先となると思いますが、
今後のキャリアプランのためにステップアップについても考える必要があります。

基本的な考え方としては、まず、「現状の自分の把握」、次に「3年後の自分」について、
そして「10年後の自分」についてイメージすると具体的なキャリアプランを描くことができます。

そして、そのキャリアプランに対してアクションプランを策定します。
例えば、「3年後に○○という病院、企業に転職したい」というキャリアプランの
ために「現在の職場で経験を積んでいくことを大切にし、昇格を目指す」とか
「認定資格を取得する」というものがあります。

この認定資格を取得するというのは、薬剤師には日本医療薬学会の認定している認定薬剤師や
指導薬剤師といったような資格があります。
そのほかにも、日本臨床薬理学会の認定する認定薬剤師や指導薬剤師もあります。
認定薬剤師については、いずれも5年以上の薬剤師経験が必要ですので、自分の現状のスキルを見直すという点でも、勉強を復習するという点でも試験を受ける価値があるというものです。

資格取得後

もちろん、資格取得後については職務の幅も広がることでしょう。
他にも、日本静脈経腸栄養学会の栄養サポートチーム(NST)専門療法士・NST専門薬剤師というものもあります。
最近の医療において栄養管理、栄養療法は非常に注目を集め始めています。
近くの少し大きな病院に行ってみたら、必ずといっていいほど栄養指導、栄養管理のサポートをしてくれる部門があるはずです。
栄養の摂取に関しては、日々の生活習慣の見直しにもつながるものです。
劇的な変化というよりは、少しずつではあるかもしれませんが、ゆっくりとした効果が期待できます。
反対に、栄養状態がよくない患者さんというのは、治療の回復を遅らすことにもつながりかねません。
医師の指導の下で、管理薬剤師などで栄養士や栄養サポートチームは構成されます。

NST専門薬剤師の任務はというと、主に管理栄養士と協力しながら、
患者さんそれぞれに合った薬の投与方法を提案していったり、また消化を助ける薬を選んだり、
薬の副作用に対するバックアップを行ったりという業務となります。
チーム医療の中で、この栄養療法はますます進展、普及していくことでしょう。
ですから、患者さんのそばで専門的な知識をフルに活用したいという薬剤師の方は
取得を目指すのもいいかと思います。

このように、常に向上心をもって試験、資格などにチャレンジし続けるという
モチベーションを保ち続けるのも大変な忍耐力、チャレンジ精神が必要です。
好奇心も必要ですし、何よりも患者さんを思う気持ちが必要です。

日常業務に忙殺されがちな薬剤師の方が多いのですが、少し足をとめて認定制度に
チャレンジするのもいいかと思います。
きっと今までよりも職務の幅が広がったり、違った観点で今の仕事を見ることが
できるようになったりすると思いますよ。
<参考サイト>
JSPHCS/日本医療薬学会
日本臨床薬理学会
JSPEN.main
日本静脈経腸栄養学会 栄養療法士情報

今後の薬剤師のあり方

求められるもの

今後の薬剤師に求められるものとして、
新しい分野に果敢にチャレンジする姿勢というものもあげられます。
好奇心旺盛な方が薬剤師に向いているというのはそういうわけです。
例えば、現在は高齢化社会というキーワードはもうだいぶ前から言われていることです。

今は高齢化社会というよりも、超高齢化社会といわれるほどの現実が目の前に迫ってきています。
この超高齢化社会というのは、今まで世界中で例を見ないほどのものであり、
未知の世界であるといえます。
そして、この高齢化社会における介護の問題は、人間が
「人生の最期をどのようにむかえるか」という「生き方」に関わる壮大な問題につながっていくのです。
終末医療に関しては、長い間研究もされていますが、
今後はますますその重要性はましていくことでしょう。
同時に、福祉、医療、地域等、広範な分野を包括した社会そのものをどのような方向に、
どのような形で築いていくかという大きな意味でのビジョンを持つことにつながるのです。

この問題は薬剤師だけではなく、それぞれの分野の人たちが他人事ではなく、
自分自身の問題として当事者意識を持って真剣に受け止めなければならない問題です。
薬に対しても様々な考え方もあることでしょう。
医療業界も日々進歩しており、新薬の開発も数年前に比べると飛躍的に進化してきました。
ジェネリック医薬品という経済的に人々にやさしい薬も増えることによって、
たくさんの人が自分ののぞんだ薬を飲むことができるようになりました。
その中で、患者さんにとっての一番いい薬は何なのか、ということを考えて、
製薬会社で薬を開発したり、薬局で薬を提供したり、飲み方や保管方法に関する説明、
薬に関する情報発信を行っていくということはとても社会的に意味のあることです。

薬というのは

薬というのは、その人の生き方そのものすらかえることができるのです。
例えば、パーキンソン病の患者さんは自分自身の力だけでは
どうにも日常生活もままならなかったのですが、薬を一日に何回か服用するだけで、
他の人となんら変わらない生活を送ることができるようになるのです。

このパーキンソン病という病気は高齢者の方のかかりやすい病気といわれています。
若年性パーキンソン病については子どものうちからその病気にかかった場合のことをいいますが、
若いうちから体が思うように動かないというのは大変つらい思いをします。
たくさんの夢を見られるはずというのが子どもたちなわけなのです。

このパーキンソン病の薬は人によって合う、合わないということがあります。
Aという薬があうという人もいれば、Aはあわないけれども、Bなら効果あるということもあります。
現在は研究が進んで何十種類もの薬がありますので、
これは多くのパーキンソン病患者さんにとってとてもうれしい結果になっています。
薬の力というのは本当に大きいのです。
時代に応じた薬学に関する知識を日々更新させ、今の時代に必要な薬は何かを問い続ける、
これは薬剤師としての仕事の難しさであると同時に、
薬剤師としての仕事の醍醐味であるのではないかと考えます。

薬剤師に向いている人 その二

薬剤師に向いている人

医療関係のお仕事というのは、人を相手にする仕事がほとんどです。
ですから、「人と接することが好きである」という人はとても薬剤師に向いているかと思います。
また、医療関係で人と接するときというのは、患者さんに対して特別気を遣う必要があります。

人間、病気になってしまったり、怪我をしたときというのは自分自身の体が
しんどいというだけではなく、精神的にもかなりつらいものです。
今後の生活に関して日常生活において、経済的な面において、社会的な部分において、
様々な不安をかかえているものです。
家族の方も同じように不安や悲しみの中にいることでしょう。
ですから、薬剤師の方が患者さんと接するときのちょっとした一言が、その方の励みになるのか、
さらに不安になってしまうのか左右することになるのです。

人のために役にたちたいという理想を掲げている薬剤師の方であれば、一生懸命、
患者さんとの関係構築に励むことと思いますが、実際は膨大して業務に忙殺されてしまって、
接遇に関することに関しては横においておきちにがちになってしまうのが現実です。

患者さんに関しては接遇に関する勉強を積む人もいるほどのことですから、実際に
薬剤師として働き始める方はぜひとも気をつけてほしいことです。
また、病棟で働く薬剤師は医師、看護師、理学療法士さんたちといった
医療関係者と一緒にチームとして働くことになります。
ですから、人と一緒に何か成し遂げるという経験があればなおいいかと思います。

チームで医療にあたるということは、とても大切なことですが、実はとても難しいものなのです。
それぞれの専門分野の知識を出しあって、治療方法を選定し、病気や怪我の回復を
目指すことになるのですが、立場や持っている知識をうまく出し合うというのは
意外に難しいものなのです。

治療方法

治療方法に関しても様々な考え方があります。
基本的には医師が患者さんの状態を鑑みて総合的に治療方針を決定するわけですが、
そこで専門的な知識を出すことで、その効果を最大限にしなければなりません。
薬剤師としての医療に対する思いもあるかと思いますので、
時には意見があわないこともあるでしょう。

そんなときに、自分の立場をわきまえて、かつ技術と知識を最大限に発揮して全て
の医療関係者に自分の思いや方針を納得してもらうのは本当に難しいです。
ですから、他者と円滑にコミュニケーションがとれる、人間関係構築能力のある人でなければ
薬剤師はつとまらないと思います。

自分の理想を実現したいというビジョンを持っているのは大切なことです。
志がなければ、医療現場で働く意味もないと思います。
理想がない人は機械的な仕事になってしまって、それこそ患者さんにも充実した
医療を届けることはできないし、自分自身の仕事生活を充足させることも無理でしょう。
だから、絶対に自分の医療、薬学に対する考え方を確立することはとても大切なことです。
ただし、チームで仕事をする上においては、自分の意見を通すだけではなく、
人の意見も尊重しながら組織としてどうしたらいいかという考え方を持つことを忘れてはいけません。

薬剤師に向いている人

自己分析

自己分析をおこなうと、自分がどんな人間であるかということは
徐々に分かってくるかと思います。
そこで、薬剤師の方に向いているのはこんな人ということについてご紹介します。

まず、人々の健康を守る仕事に対して興味関心のある方、やりがいを感じることが
できるという方です。
薬というのは、人々の体に大きな影響を与えるものです。
いい薬に出会ったおかげで今まで日常生活すら困難だった人が社会に出て働けるようになったり、
苦しいつらい思いをしてきた人を助けることもできます。
治療方針を決めるのは医師の仕事ですが、実際に患者さんに直接作用するのは
薬であることが多いのです。
飲み方や管理の方法、飲み合わせなど、薬は取り扱いが非常に難しく、一般の方が
それを判断することはできないので、必ず薬が処方されたときには薬剤師がその
薬の効能、飲み方、保管方法などこと細かに説明してあげなければなりませんが、
飲み方次第で薬の効果を高めることもあります。

人の健康

人の健康を、命を守っていきたいというただ、その一方で使い方をあやまると命に
関わる大惨事も招きかねません。
ですから責任感が人より強いという人は薬剤師に特に向いています。
もちろ、どの仕事も仕事をする上では責任感というのは必要なのものですが。
また、精神的、肉体的にタフな方というのも向いていますね。
薬剤師というと座って作業することが多いので体力に関しては
あまり必要ないというイメージの方も多いかと思いますが、薬学生であれば、
薬学がいかに体力のいるかということを十分に理解しているかと思います。

理系の中でもきついカリキュラムをこなす上で、いつ終わるか分からない
実験をするというのはなかなか体力が必要だったと思います。
もし、製薬メーカーの研究者なんかになったら、この研究業務が何十年も続くわけです。
それも、薬学の研究者というのはすぐに結果の見える仕事と異なり、
かなり長期的な視野で研究していくことが求められます。
ですから、精神的にも肉体的にもタフな人でなければなりません。

また、研究職でなくても、病院に勤める臨床薬剤師のかは大学病院や国立病院と
いう広い病棟をわずか数名で走り回って病棟活動をこなさないといけません。
最近は病院で勤める薬剤師の数も減っていますから求められる業務も増えているのが現状です。

製薬会社のMRにしても、フットワークが軽くなければなりません。
あわせて好奇心旺盛な人というのも薬剤師には向いています。
薬の世界、医療の世界も日進月歩を遂げています。
最新医療についていち早く情報を獲得し、今の仕事にいかすということはとても大切なことです。
また、幅広い知識が求められますので、知識欲旺盛もとてもいいかと思います。
知ることからはじまるのが薬剤師の業務です。
とても知的なイメージのある薬剤師ですが、実はとても
気力と体力の必要な仕事のうちの一つです。
就職する前に、自分の適性について考えてみましょう。

自己分析について

薬学部

薬学部に通っている学生は非常に忙しく、なかなか自己分析などしている暇もないという
学生も多いかと思いますが、自己分析は就職のことを考え始めたときに
すぐにでもとりかかって頂きたい作業です。

では、実際に自己分析をどのように行ったらいいかということですが、
最近ではインターネット上でも適職検査といって質問項目に答えると、
自分の特性がでるような簡単なツールがあります。
でも、これはあまりおすすめではありません。

就職活動における自己分析というのはこういった
心理テストのようなものでわかるような単純なものではないからです。
できたら、自己分析に関するワークシート形式の本が書店にありますので、
それを一冊購入して最初から最後までやりきってみてください。
項目としては、できたら過去の自分を振り返る項目が入っていることがいいかと思います。
実際に、過去に自分におきた出来事で印象に残っていることを羅列していくだけでも
自分自身が見えてくると思います。

放課後

小学校、中学校のときに最も自分の中で印象深かったことは何なのか思い浮かべてみましょう。
例えば、友人と楽しく放課後に遊んだことだった方は人と人とのつながりを大切に
している人だったり、部活動で成績をおさめた人だったら一つのことに熱中して
物事に取り組むのが好きだということが分かります。

少し過去を振り返るだけで、自分というものが意外に見えてくるものです。
そして、これはインスピレーションも大切ですが、じっくりと考えて思い出すことも多いです。
ですから、インターネットだとすぐにメモしたりできませんので、
できたら紙ベースでできる自己分析の書籍をおすすめします。
自己分析を実際に行って自分がどんな人間というものについて理解を深めるということは、
たくさんのメリットがあります。
どうして、自分は薬学部に入学したのか、この原点に立ち返るということがとても大切なのです。

薬学生は就職活動と平行して薬剤師の国家資格を取得するためにその受験勉強もして
いかねばなりません。
そうなると、時々へこたれそうになることもあるでしょう。
そんな時に、どうして自分は薬学部に入ったのかというところが明確になってさえいれば
それをモチベーションの源泉として頑張ることができます。
これは、国家試験対策のみにあてはまることではありません。
社会に出て薬剤師として活躍したときにも役に立ちます。
つらいこともたくさんあるこれからの社会人生活において、必ずくじけそうになる
場面というのはでてくるものです。
そんなときに初心にかえって頑張るためには、この薬学部にどうして入ったのかを
思い出すとよいでしょう。
もちろん、就職活動のときに志望動機の欄には、自分の薬学に対する色々な思いを
記入することかと思います。
この志望動機に少しでも具体性を持たせるために過去の経験、思いについて一度ふり
かえり、自分理解を深めるようにしましょう。
自己分析というのは、就職活動に必須だけではなく、その後の自分の人生を歩んで
いくのにあたってもとても大切なものです。

薬学生の就職活動 就職活動をはじめる前に

薬学生の就職活動

まず薬学生の就職活動を始める前にしておかなければならない
準備事項がいくつかありますのでご紹介します。

薬学生に限らず、就職活動の基本はズバリ「自己分析」と「職業理解」の二つに尽きます。
自分の好きなこと、やりがいを感じられることを仕事にするというのは
キャリア形成の上で大変重要なことです。
納得した就職活動の結果を得て、充実感のある仕事につくためにも、
この二つをおさえることがとても大切です。

自分が好きなことが分かっていても、それをいかす場所・職場がどこにあるのかということが
分かっていなければ折角持っている自分の才能やスキルが無駄になってしまいます。
また、折角人気のある職種についたとしても、それが自分のやりたいことでは
なかった場合は、その後で転職を考えるようになってしまったりもするでしょう。
履歴書・エントリーシート、面接においても、この部分がしっかりした学生は
答えがぶれませんから、非常に熱意のある説得力の学生として内定を得やすいのです。
反対に、どんなに学校の成績が良くても、この自己分析と職業理解が深められていない学生は
履歴書の内容や面接の回答に一貫性がなく、内定が出ないというのが現実です。

ですから、自分自身はどんな人間であるのか、そして自分をいかす場所、
就職先は一体どんなところがあるのか、ということについてしっかりと理解を深めた上で
就職活動にのぞみましょう。

理解できていない学生

そして、この二つが理解できていない学生というのは非常に多いのです。
その理由としては、自己分析をする時間的余裕がない学生が多いからです。
就職活動をしようと思った時点では、すでに説明会や面接がはじまっていますので、
自己分析を終了した時点で第一希望の採用の締め切りは
終わってしまっていたということも少なくないのです。

理想としては、大学に入学した時点で薬学という専門分野を学ぶことは決まったわけですから、
その自分の専門性を踏まえて就職活動を見据えた自己分析をはじめることをおすすめします。
職業理解については、就職活動を始めてからも挽回することも可能です。
学校には一般的に厚生課という就職活動について相談にのってくれる部門があります。

また、最近は私学を中心にキャリアカウンセラーの方に相談にのってもらえる日を
設けているような学校も多くあります。
ですから、自分のやりたいことさえ分かっていれば、それにみあった職場は
どのようなところがあるのかということを学校やキャリアカウンセラーの方に
相談にのってもらうというのも効率的な方法の一つです。

また、最近では、インターネット上に就職活動をしている学生を対象とした
就職活動支援サービス会社も数多く存在します。
この就職活動支援サービス会社は説明会やインターンシップの日程を調べるといった
効率よく就職活動を行うためのツールにのみ使っている学生が多いのですが、
様々な業界について紹介や実際に就職した方の声なども掲載されておりますので、
職業理解を深める大変便利なツールとなりますよ。