薬剤師になるのに求められるもの

求められるもの

薬剤師という職業は社会的な地位が高く、
社会貢献にもなるやり甲斐のある仕事です。

高度な知識を有した医療人として信頼が厚い職業でもあり、
給料水準が高い仕事でもあるので
とても人気のある職業ですね。
大学薬学部や薬科大学の入試をみてみても、
毎年高倍率で狭き門と
なっていることからもその人気が伺えます。
毎年多くの若者が薬剤師を
目指して勉強などに励んでおります。

しかもこうした高い意識を持った方は
全国に多くいるのです。
将来の職業の選択肢として薬剤師を選んだ場合に、
親や周囲の方からとても喜ばれたり
勧められることはあっても、
その逆になることはまずないでしょう。

それだけ信頼されている職業で
あることを意識しておいて下さい。
ただしいくら薬剤師の地位が高いからと言って、
どなたでもなれるわけではありません。

薬剤師国家試験

もちろん大学入試や薬剤師国家試験は
学力があれば合格出来ますが、
やはり医療人になるためには学力が
高いだけではなることは出来ません。

薬剤師という名前の通りに薬を取り扱う仕事です。
大げさなことを言えば人の生死にも関わる仕事に
携わっているわけですので、緻密さと正確さが
備わっていてこうしたことを実践出来る方が向いています。

とにかく妥協は一切せずに最後まで責任感を持って、
職務を全う出来る方にお勧めの職業です。
病名がたくさんあるのと同様に、
各病気を治すための薬も
たくさんあり多岐にわたっています。

中には薬の名称が類似していても
効能が全く違う物もありますので、
こうした薬を的確に処方出来る方が向いています。
間違った処方は副作用を引き起こしたり、
場合によっては死に至らしめることもあるからです。

すでに市販されている
薬を取りそろえること自体は心配ないですが、
特に緻密さと正確さが問われるのは
実際に調剤を行うときです。

要は薬の調合ですので各薬を決められた
分量調合しなければなりません。
微量の調合違いが患者さんの健康に
大きな影響を及ぼすことを、
十分知っておかなければなりません。

言うまでもなく薬剤師になるために
学ぶ大学薬学部や薬科大学は理系です。
ですから、理系的な素質やセンスが
問われることは言うまでもありません。

なかでも有機化学は薬の性質などを知る上で重要ですので、
こうした学問に対する興味関心も必須です。
また患者さんとのコミュニケーション能力も重要になってきます。

薬の開発などを行う方は研究室などに籠もっていれば、
それだけでも良いかもしれませんが、
薬剤師として働く際には
日々患者さんと接するので、
こうしたことを苦にすることなく出来ることも重要です。

中には色々な相談をする方もいるので、
嫌がらずに懇切丁寧にケアなどをすることも大事です。
特に日本はこれからますます高齢化社会になっていくので、
薬剤師の方にとっても日々の仕事の中で、
高齢者と接触する機会が増えてきます。

なかなか理解出来ないような方に
対しても粘り強く説明などを出来るような、
人間味溢れた薬剤師がますます必要とされています。

ですから、コミュニケーション能力の高さも重要なのです。

薬剤師に向いている人とは

薬剤師に向いている人

薬剤師という職業に興味がある人、
明確な進路は決めていないけれど薬剤師という仕事が気になっているという人は、
自分が薬剤師に向いているかどうかということが気になるでしょう。

では、どのような人が向いているのでしょうか。

まず、どんな環境で働くとしても薬剤師に必要とされるのは
「正確さ」や「緻密さ」といったことでしょう。
とくに医療機関や調剤薬局などの調剤業務がある職場では細かい作業が多くなるため仕事を慎重に行う必要があります。
調剤業務とは薬剤師の仕事の基本であり、
もっとも重要とも言える業務です。

医師から提出された処方箋の通りに薬剤を準備します。
また、粉薬等の場合には必要な成分を必要な量だけ取り分けて、1つずつ製剤化していく必要があります。
この時の分量は非常に重要なもので、副作用などのトラブルを避けるためにも間違いは決して許されません。

特に身体の小さいお子さんなどへの薬剤は
ちょっとした分量のミスでも大きな事故につながる危険性が高いため、ミリグラム単位での調整が必要になってきます。

こういった作業を1日に何十回と繰り返して行うわけですから、
忍耐強さや根気強さといったことも必要になるでしょう。

ドラッグストア

ドラッグストアなどで働く薬剤師の方ならば、
接客業的な意味合いも強いのでコミュニケーション能力も不可欠になってきます。
薬剤師であると同時に店員としての一面もあるからです。

また、スイッチOTC医薬品など比較的副作用の強い医薬品を販売するときには、
販売時に薬の飲み方や副作用についてしっかりと説明する責任があります。
こういったことを患者さんや消費者の方にわかり易く丁寧に説明しなくてはなりません。
コミュニケーション能力は学校薬剤師でも必要な能力です。

小学校や中学校など比較的年齢の低い生徒に適切な指導を行うためには、
十分な薬学的知識に基づいた適切な指導が行えるかどうかはとても大切な能力の1つとなります。

寝たきりの患者さんのために在宅医療に携わる薬剤師も多くなってきています。
ですが寝たきり患者さんの服用する薬について、
看病をしている家族の方などに対して適切な指導や飲み合わせなどの説明を行うためにも
コミュニケーションは大切です。

また、薬の服用状況などをこまめにチェックして重複投薬などがないようにするために
几帳面な性格な人のほうが薬剤師に向いているといえるでしょう。

最近は災害地などへ出向いて医師や看護師などと一生に行動して
人命救助に当たる薬剤師も増えてきています。
そういった薬剤師の場合には混乱した状況でも冷静な判断を下すことが求められます。

さらに、災害現場での薬の管理や効率的な配分といったことが必要になりますから、
状況に応じた臨機応変さが必要になってくるでしょう。

もちろん、医薬品に関する卓越した知識やスキルが必要なのは言うまでもありませんから、
学生時代だけでなく薬剤師の国家試験に合格しても生涯にわたっての学習が必要になります。
そういった勤勉性も薬剤師には大切な資質です。