学校薬剤師とは

学校薬剤師の仕事の特徴

学校薬剤師とは、学校保健安全法に基づいて、大学を除く国立・公立・私立の幼稚園や小学校や中学校や高等学校や高等専門学校等があり、さらに盲学校や聾学校や養護学校まで、全ての学校に委任委嘱されている薬剤師となります。
薬剤師はその学校から任命、もしくは委嘱を受け、学校薬剤師として学校の保険・教育の推進にあたり、公立学校の場合には、規定により地方公務員特別職となり、教育委員会等の任命権者からの委嘱によって学校薬剤師になります。

国立の場合には、非常勤の国家公務員の一般職として任命され、学校薬剤師になります。
私立の場合には、私立学校法第三条に規定する学校法人から委嘱されて学校薬剤師として働くことになります。

主な仕事内容には、学校の環境衛生について検査をして、生徒にとって快適な学校環境を作るようにする役割を担っています。
幼稚園から高校卒業までの発育や発達に重要な期間に学校保健を任されますので、社会的にも重要で、とてもやりがいのある仕事です。

学校薬剤師になる為に必要なもの

学校薬剤師は、原則、薬剤師であればその職業に就くことができますが、学校薬剤師部会では、「教育者としてふさわしい人間性を持っていること」「教育に対して正しい理解を持っていること」「職務に必要な知識と研鑽(学び続ける姿勢や研修会の参加等)」の3点が薬剤師の必要条件であるとしています。
学校薬剤師は、各学校に1人というところがほとんどですので、学んだり質問することが難しい職業です。

薬剤師としての知識をすでに保有した状態が求められます。
学校薬剤師は、基本的に1校につき1人となっていますので、欠員募集というケースがほとんどです。

広告等に出る訳ではなく、学校薬剤師に欠員が出た場合に、教育委員会が地域薬剤師会に相談をして、地域薬剤師会が学校薬剤師を推進する、という流れで募集が行われます。
実際には、そのほとんどが前任者の紹介で任用されるケースとなるようです。

学校薬剤師の活躍の場

学校薬剤師の仕事とは、そのほとんどが収入を求めてなるものではなく、地域社会への貢献をやりがいにしていることが多いようです。
ほとんどの学校薬剤師が病院や調剤薬局、ドラッグストアと兼務しているようです。
ただし、調剤薬局やドラックストア勤務の薬剤師には、移動や転勤がありますので、遠方への転勤の場合には、その担当の学校薬剤師を辞める必要があり、現在では学校薬剤師が人手不足であるという現状になっています。

学校薬剤師の今後の活躍としては、「薬物教育の推進」の役割が大きくなってくるでしょう。
近年、若者の間では薬物の乱用事件が多く発生していますので、学校薬剤師に求められる役割も、衛生環境の保全よりも青少年の薬物乱用防止になりつつあります。