今後の薬剤師のありかた セルフメディケーション

セルフメディケーション

セルフメディケーション、最近よく耳にしますが皆さんはその意味を知っていらっしゃるでしょうか。
直訳すると、「自己治療」という意味になります。
これは、自分で体が調子が少しおかしいな、健康にすぐれないな、と感じたときに、
病院で医師に診察を受けたり薬局で薬剤師に相談しないで自分で治すということです。
少し風邪をひいてしまったり、頭痛がしたりするときに
市販薬を自分の判断で購入することもあるかと思います。

最近では、ビタミン剤もかなり普及してきておりますので、
日常的にビタミン剤を購入して成人病の予防につとめているという人も増えています。
健康管理ということを軸において考えるとき、
西洋学的な医学とは別に東洋医学というものがあり、これには漢方に代表されるものです。

また、他にも鍼灸を使った治療がありますし、アロマテラピーによる治療というのもあります。
それに、食事や睡眠などの日々の生活を規則正しく送るという
生活習慣についても広義のセルフメディケーションとしてとらえる人もいます。
国としての対策である健康増進法の前進である健康日本21においては、
このセルフメディケーションという考え方が色濃く反映されているものであります。
現在の特定健康診断の実施の実現へと至るというわけです。

食事と運動というのは、人間が必ず毎日行うことであり、
この回数、中身、内容を少しチェックすることで自分自身の健康が保てるものです。
ですので、身近なところから積極的に推進するという考え方はとても大切なことです。
では、薬剤師として、どんな貢献の方法があるのかということについてです。
普段の生活の中でのちょっとしたきっかけ作りやサポートをすることが
このセルフメディケーションを長続きさせてあげられることにつながると思います。

薬物治療や外科手術

大きな病気が劇的になおるような薬物治療や外科手術とは異なって
なかなか目に見えない分野の一つであるこのセルフメディケーションは、
実践するのはやさしいように見えて実は結構ハードルが高いのです。
何でもですが、少しだけするというのは短期集中で頑張ることもできるのですが、
長期的に続けようと思うと、途中でだれてきてしまったり、
忘れてしまうことが重なっていつの間にかやらなくなっているというケースが多々あります。
これはセルフメディケーションのみにいえることではなく、
三日坊主という言葉があらわすように、よくあることなのです。

そこで、身近にあるドラッグストアや薬局なんかでちょっとした相談役として
活躍するのが薬剤師としての役目になってきます。
先人の知恵という言葉もあるように、昔はお年寄りの方からの話などを参考に実践が
なされてきたという一面もあるのですが、
現在は核家族化も進み、最近ではおひとりさまという言葉もでるほど、
どんどんその生活における活動単位が縮小されている傾向にあるかと思います。
セルフメディケーションの実践においては、薬剤師としての薬学に関する知識や技術以上に、
生活習慣に関わる幅広い知識が要求されし、地域性なども考慮するケースもあるかとは
思いますが、地域の人たちの相談役としての活躍がますます期待されることになるかと思います。