今後の薬剤師のあり方

求められるもの

今後の薬剤師に求められるものとして、
新しい分野に果敢にチャレンジする姿勢というものもあげられます。
好奇心旺盛な方が薬剤師に向いているというのはそういうわけです。
例えば、現在は高齢化社会というキーワードはもうだいぶ前から言われていることです。

今は高齢化社会というよりも、超高齢化社会といわれるほどの現実が目の前に迫ってきています。
この超高齢化社会というのは、今まで世界中で例を見ないほどのものであり、
未知の世界であるといえます。
そして、この高齢化社会における介護の問題は、人間が
「人生の最期をどのようにむかえるか」という「生き方」に関わる壮大な問題につながっていくのです。
終末医療に関しては、長い間研究もされていますが、
今後はますますその重要性はましていくことでしょう。
同時に、福祉、医療、地域等、広範な分野を包括した社会そのものをどのような方向に、
どのような形で築いていくかという大きな意味でのビジョンを持つことにつながるのです。

この問題は薬剤師だけではなく、それぞれの分野の人たちが他人事ではなく、
自分自身の問題として当事者意識を持って真剣に受け止めなければならない問題です。
薬に対しても様々な考え方もあることでしょう。
医療業界も日々進歩しており、新薬の開発も数年前に比べると飛躍的に進化してきました。
ジェネリック医薬品という経済的に人々にやさしい薬も増えることによって、
たくさんの人が自分ののぞんだ薬を飲むことができるようになりました。
その中で、患者さんにとっての一番いい薬は何なのか、ということを考えて、
製薬会社で薬を開発したり、薬局で薬を提供したり、飲み方や保管方法に関する説明、
薬に関する情報発信を行っていくということはとても社会的に意味のあることです。

薬というのは

薬というのは、その人の生き方そのものすらかえることができるのです。
例えば、パーキンソン病の患者さんは自分自身の力だけでは
どうにも日常生活もままならなかったのですが、薬を一日に何回か服用するだけで、
他の人となんら変わらない生活を送ることができるようになるのです。

このパーキンソン病という病気は高齢者の方のかかりやすい病気といわれています。
若年性パーキンソン病については子どものうちからその病気にかかった場合のことをいいますが、
若いうちから体が思うように動かないというのは大変つらい思いをします。
たくさんの夢を見られるはずというのが子どもたちなわけなのです。

このパーキンソン病の薬は人によって合う、合わないということがあります。
Aという薬があうという人もいれば、Aはあわないけれども、Bなら効果あるということもあります。
現在は研究が進んで何十種類もの薬がありますので、
これは多くのパーキンソン病患者さんにとってとてもうれしい結果になっています。
薬の力というのは本当に大きいのです。
時代に応じた薬学に関する知識を日々更新させ、今の時代に必要な薬は何かを問い続ける、
これは薬剤師としての仕事の難しさであると同時に、
薬剤師としての仕事の醍醐味であるのではないかと考えます。