薬剤師のステップアップ

薬剤師のステップアップ

最初は現状の仕事について経験を積むのが最優先となると思いますが、
今後のキャリアプランのためにステップアップについても考える必要があります。

基本的な考え方としては、まず、「現状の自分の把握」、次に「3年後の自分」について、
そして「10年後の自分」についてイメージすると具体的なキャリアプランを描くことができます。

そして、そのキャリアプランに対してアクションプランを策定します。
例えば、「3年後に○○という病院、企業に転職したい」というキャリアプランの
ために「現在の職場で経験を積んでいくことを大切にし、昇格を目指す」とか
「認定資格を取得する」というものがあります。

この認定資格を取得するというのは、薬剤師には日本医療薬学会の認定している認定薬剤師や
指導薬剤師といったような資格があります。
そのほかにも、日本臨床薬理学会の認定する認定薬剤師や指導薬剤師もあります。
認定薬剤師については、いずれも5年以上の薬剤師経験が必要ですので、自分の現状のスキルを見直すという点でも、勉強を復習するという点でも試験を受ける価値があるというものです。

資格取得後

もちろん、資格取得後については職務の幅も広がることでしょう。
他にも、日本静脈経腸栄養学会の栄養サポートチーム(NST)専門療法士・NST専門薬剤師というものもあります。
最近の医療において栄養管理、栄養療法は非常に注目を集め始めています。
近くの少し大きな病院に行ってみたら、必ずといっていいほど栄養指導、栄養管理のサポートをしてくれる部門があるはずです。
栄養の摂取に関しては、日々の生活習慣の見直しにもつながるものです。
劇的な変化というよりは、少しずつではあるかもしれませんが、ゆっくりとした効果が期待できます。
反対に、栄養状態がよくない患者さんというのは、治療の回復を遅らすことにもつながりかねません。
医師の指導の下で、管理薬剤師などで栄養士や栄養サポートチームは構成されます。

NST専門薬剤師の任務はというと、主に管理栄養士と協力しながら、
患者さんそれぞれに合った薬の投与方法を提案していったり、また消化を助ける薬を選んだり、
薬の副作用に対するバックアップを行ったりという業務となります。
チーム医療の中で、この栄養療法はますます進展、普及していくことでしょう。
ですから、患者さんのそばで専門的な知識をフルに活用したいという薬剤師の方は
取得を目指すのもいいかと思います。

このように、常に向上心をもって試験、資格などにチャレンジし続けるという
モチベーションを保ち続けるのも大変な忍耐力、チャレンジ精神が必要です。
好奇心も必要ですし、何よりも患者さんを思う気持ちが必要です。

日常業務に忙殺されがちな薬剤師の方が多いのですが、少し足をとめて認定制度に
チャレンジするのもいいかと思います。
きっと今までよりも職務の幅が広がったり、違った観点で今の仕事を見ることが
できるようになったりすると思いますよ。
<参考サイト>
JSPHCS/日本医療薬学会
日本臨床薬理学会
JSPEN.main
日本静脈経腸栄養学会 栄養療法士情報